クラッチ交換 及び クランクシール交換 (後編)

 

 

2017.9.21

 

前編に引き続き作業を進める。

 ミッションを降ろす作業に伴う関連整備も実施する。

 

 

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 今クラッチ交換付帯作業の一つ、オイルプレッシャーレギュレータ

交換。

オイルプレッシャー表示が不安定なため、交換部品を

事前に入手していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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新旧比較。

 BOSCHのパーツ、bO261230015

 ワッシャーは付属している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 オイルリザリエーター、過去には一部剥がれた結晶塗装を

全て剥がし、耐熱塗料で塗装していたが、結晶塗装のノウハウ

を得たので再塗装を行う。

 初めてアストロオリジナルの剥離剤を使用してみたが、

塗装を剥がす能力は弱く、殆ど塗装は剥がれない。逆を言えば

車の塗装を気にすることなく粘着シールが剥がせるかもしれない。

 結局ストレートで新たに剥離剤を購入した。

 WAKO‘Sのガスケットリムーバが強力であるが、店頭には

無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 剥離剤ほぼ一本使い切り、ワイヤーブラシなどで塗装を剥がす。

 この後、シリコンオフで油分をしっかり落とし、

結晶塗装塗料で塗装する。

 塗る際の注意は、通常塗料より厚めに塗れてしまう事、

重ね塗りの際には10分程度時間を開ける事、

塗り終わってから直ぐ温度を上げると、塗料が柔らかくなり

垂れやすくなる事などがあげられる。

 塗装後、段ボールで乾燥室を作り、ヒートガンで120℃を

保って乾燥させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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装着後の写真。

 オリジナルの雰囲気が蘇った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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パイロットベアリングには、

SKF製 2202−2RS1/C

と刻印がある。

自動調心ラジアルボール・シールベアリングである。

同等品、JAF製 2202−2RS−T

を購入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ベアリングは、フライホイールワッシャーと

ボルトを使って圧入する。

 それほど強い力で嵌められている訳ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 底付きするまで圧入する。

 先端は4mm程出っ張る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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送られてきたクランクシールは、Genuineの箱に

入ってはおらず、OEMと思われる。

 サイズは、80(軸径)×100(外径)×10(厚み)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 古いシールを利用して、カバーに圧入する。

 エンジン側の隅になる部分に薄く液体ガスケットを塗布した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 カバーを新しいガスケットを挟んでエンジンに装着する。

 ガスケットには極薄く液体ガスケットを塗布し、

カバーの下部の紙ガスケットが無い部分は、必要量の液体ガスケット

を使用した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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フライホイールを装着するが、フライホイールの外周には

クランク角センサーの感知部があるので、角度を変えずに

取り付けなければならない。

 8本のボルトの締め付けトルクは83N、

フライホイールを押さえる工具が見当たらなかったので、

フライホイール外周穴に針金を通して、外部のボルトと繋ぎ

固定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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新しいクラッチカバー。

 17の数字と、・が4つ。 2017年4月 製造のようである。

 Valeo製

 247OBA : 穴外周247mm

 7500  : 圧力7500N

 と言う意味らしい。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ちなみにディスクの厚みは、8.5mm

古いディスクは7.2mmであった事を考えると

使用限度、0.8mmは大きく越えていた事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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センター出しツールを使用して、クラッチディスクと

クラッチカバーを取り付ける。

 ディスク径が大きく、カバー取り付けボルトとのクリアランス

が小さいため、ボルトが削られている部分があるので、ボルトは

新しい物に変更することを推奨する。

 

 パイロットベアリングとクラッチディスクのスプライン、

クラッチカバーのバネ部分の円の中心が同じになる様に、

正確にセンターを揃える。

 

 

 

 

 

 

 

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オイルラインにOリングを嵌めるのを失念しないようにし、

ミッションを繋げる。

 クランク軸とミッションシャフト軸が直線になる様に、

ミッションを釣る角度を丁寧に調整する。

 ギアを少し回転させるとスプラインが嵌り易い。

 今回は友人2人が居てくれたおかげで容易に接合できた。

 ギアボックスとエンジンの接合ボルト締めつけトルク56N。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ミッションが繋がったので周辺部位を設置して行く。

 クラッチライン、パイプユニオン締めつけトルク21N。

 ミッションケーブルの上部は狭いところに設置されているため

周りに干渉しないように、円滑に作動するように丁寧に作業する。

 クランク角センサーや、オイルクーラーラインなども繋げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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クラッチのエア抜きは、ワンマンブリーダーを使用。

ブレーキ・クラッチフルードタンクの蓋の閉まりが甘いが、

ワンマンブリーダーの蓋を締めすぎず、圧力も低めにして、

無事エア抜きも完了。

 ミッションオイルクーリングホースは49N。

 ミッション下部もフレームに固定する。

 その他、スターターや配線、それの固定ネジなど慌てず漏れの

無いよう確認し復帰させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回のミッションオイル。 

 前回より一段固めをチョイス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2L強抜けたが、2L缶1本でMAXラインを少し

超えた所に達した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オイルリザリエーターを設置し、ホース類を繋げる。 

 触媒を設置し、サブフレームまで装着すると、だいぶ

作業が進んだ気になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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夜間は室内作業を行う。

 折れたサイレンサーのテイルパイプ取り付けボルト。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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グラインダーで根元を切り取り、ドリルで穴を開け、

序々に穴を広げ、タップを立て、イモネジをねじ込み復活

させた。

 鉄ボルトとは言え、非常に硬く、一本対応するのに2時間程

費やした。

 サイレンサー全体はステンレス製だが、スタッドボルトだけ

鉄製と言うのは、錆びやすいのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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サイレンサー下部のミッションオイルクーリングラインの

ユニオンがサイレンサーを凹まさないように1〜2cmの高さに

木端をはさんで、その上にサイレンサー本体を載せ、触媒と繋ぎ、

微調整しながらサイレンサー固定していく。

テールパイプを固定し、排気バルブの負圧ラインを繋ぎ、

エアークリーナーを載せる。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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右のフェンダーが少し膨らみ気味で、テールパネルは少し

下がっている。

 微妙に隙間を調節しながらバンパーカウルを固定する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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マフラーテールパイプの突き出し量、高さも左右均等に

なっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オイル交換も実施。

 固めの10W−50を入れてみる。

 NUTEC Ester R を奢ってみた。

 ODO 25500km

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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色の濃いオイルである。

 8L入れて温め、温度が上がった後アイドリング状態で

レベルを合わせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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エアコンコンプレッサーが修理から戻ってきていないため

コンプレッサーの無い状態でウォーターポンプ・オルタネータ

ベルトのみ元に戻し、エンジンが掛けられる状態にした。

 リフトから1カ月半ぶりに降ろし洗車した。

 クラッチは、問題無く、軽くなったのが不思議である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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