クラッチ交換 及び クランクシール交換 (前編)
2017.9.10 3カ月ぶりのツーリングを終え、ドックイン。 タイミングベルト交換以来の重整備、ミッション卸しは実に 5年ぶりになる。工期2カ月は覚悟してリフトアップする。
恒例のアンダーカウルチェック。 これを外すのが何気に一番面倒な作業であったりする。 奇麗な状態で取り付け、250kmを走行した後の状態。 エンジン中央部からなのオイル滲みは後方まで湿らせている。 エアコンのオイルもコンプレッサー下部に少量確認できる。
下に潜ってのチェック。 エンジンとミッションケースの繋ぎ目からオイルが滲み出ている。
ドライブシャフトブーツからのオイル滲みは 認められないが、ブーツが少し膨らんでいる。 反対側はブーツが膨らみ変形していた。 今回、ミッションを降ろすタイミングで ブーツ交換も実施する予定。
月を追う毎にコンプレッサーからオイルの漏れる量が 徐々に増加してきている。 DELPHのコンプレッサーは中央継ぎ目からのオイル 漏れが良くあるらしい。
確認を終えたところで作業に入る。 簡単に養生を施し、リアバンパーから取り外す。 タイヤハウスのグラベルガードを取り、13mmと 17mm、それぞれ左右2本ずつのナットで固定されている。
リアパネルは配線を外しながら丁寧に作業を進める
マフラーのエンドパイプを外す際、ナットが錆びついて おり簡単に折れてしまった。 3年半前にテールパイプを取り外しており、取り付けに おいてもスレッドコンパウンドを塗布していることを 考慮すると、錆びつきが早いように思う。
マフラー横のフレーム下部に貼り付けた市販アルミテープ、 アルミは焦げ、接着材は灰になっている。 使えるもの、使えないものの経験値が増えて行く事は 今後の糧となる。
こちらは国産ゴムブッシュ。 同じくマフラーのすぐ脇に設置してあるにも関わらず 5年以上経っても、柔軟性は損なわれず、ひび割れもない。
しかしながらマフラーのバルブアクチュエーターに 使用していた、市販シリコンホースは3年程度であるが 表面にひび割れが生じていた。
今回はこのような小さな部分の対策も行う。
エアークリーナBOX、触媒、サブフレームまで取れた。
エンジンオイル。 前回は2016年3月に22500kmで交換。 一年以上経っているが、走行は3000km以下。
9L強、抜けた。
ミッションオイルも交換する。 ドレインボルトの磁石にはそれなりに汚れが溜まっている。 こちらは約5年ぶりの交換。 LSD(デフ)のオイルも兼ねているため、定期交換が必要。
ミッションオイルドレインから、欠けたパーツが出てきた。
上図の31番のワッシャーの先端と思われる。 この飛び出た部分は、ミッションエンドカバーの内側にある 出っ張りに嵌る構造になっているが、取り付け時にずれた状態でエンドカバーを押し込んだのかもしれない。 交換は簡単であるが、構造上直ちに不具合が発生するようなことはない。
左右のクランク角センサーや、クラッチパイプ、 ミッションワイヤー、スターターモーター等 を外して、いよいよミッションとエンジンを繋ぐ ボルトを緩めて行く。
エンジンをジャッキで支え、クレーンでミッションを 持ち上げて外す。 後部のフレームが邪魔でそのままでは上に抜けない、 エンジンルーム内で90°転回させ、クレーンの足部分に 降ろして引き抜いた。
ミッション前方部分、レリーズシリンダー、 クラッチケース内はそれほど汚れてはいない。
クラッチ下部。汚れがひどい。 思った以上に長い間オイルが漏れていたことが伺える。 オイルとクラッチかすが混ざってこびり付いている。
初めてクラッチを外す。 バランスなどの関係で、マーキングしてから スターターのスプラインを外し、 クラッチホルダーを差し込んでカバーを外す。
外したクラッチ板とカバー いずれもエンジン側面。
同様に外側面。 クラッチ板の外側は溝も薄くなり 内側より摩耗が進んでいるように思われる。
クラッチ板の計測 基準値 8.0〜8.3mm 許容値 −0.8mm
計測値 7.15〜7.20mm
完全にアウト。 クラッチ交換は先送りできるかと期待していたが、 悩む間もなく交換決定。
残されたフライホイール。 中央の8個のボルトをインパクトで外す。 締める際には、クランク回転押さえを 作らないといけない。
フライホイールを外すと更に酷い状態
リアカバーを外す前に灯油で洗浄。
リアカバーごとシールを取る。 リアカバーは紙のガスケットと液体ガスケットが 使用されていた。 更に洗浄。
この際、中央のパイロットベアリングも交換。 それ程強い力で圧入はされていないので、 爪を広げるタイプのベアリングプーラーで簡単に抜き出せる。
外したクランクシール。 ゴムに弾力はあり、切れや傷も無かったが、 肝心のシール部分には、垢の様な汚れが溜まり、 固まっていて、オイルシールの能力を落としていた。 オイル管理は重要であると認識させられる。
シールをカバーから抜きとる。 プーリが使えないので、内側から少しずつ 叩きだした。
これで、ひとまず目標としていた所までの分解は終了。 必要パーツを注文し、ベアリングやホース類の純正以外の部品もそれぞれ調達し、パーツが揃うまでの時間は、 再利用する各パーツの洗浄、塗装、ネジの補修、歪みの補正等、組立準備を行う。
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